上腕の神経 その2
週末の謎:上腕の神経 2005/2/21
みなさん、こんにちは!
いつも読んで頂きありがとうございます。
今週からお読みになった皆様。はじめまして!フーです。
先週の推理小説バージョン。なかなか好評でした(嬉)。どうしても内容が
専門的になってしまいますので、これからもあの手この手を使って、少しでも
わかりやすくガイドしていきたいと思っています。
宜しくお願い致します。
◆さあ、今週も推理小説バージョンでお届けします。
(先週のあらすじ)→ http://www.kitokito.cc/merumaga0033.html
モンローにフラレ、自暴自棄になりやけ酒で泥酔してしまったゴロー。
起きてみると、彼の右手はブラリと垂れ下がったまま。手の甲はしびれ、
指は伸びません。
ゴローに一体何が起こったのでしょうか?
---------------------------------------------------------------------
▼証言
H:(ホテルマン)彼はバーのカウンターで泥酔していました。腕を下にして。
その他には特に変わった事はなかったですね。ずっと一人でしたよ。
▼事実
1.ゴローは泥酔するほどお酒を飲んだ。
2.誰も接触をしていない。
3.眼を覚ましたときには、右手が動かない。
▼ゴローに一体何が起こったのか?
犯人がいるのか?
その真相は?
------------♪ Thinking Time!
スィンキング ターイム! ------------♪
▼推理
まず、ゴローの症状をよく考えてみましょう。
・どこが麻痺しているのか?
・しびれている場所はどこなのか?
これが重要なポイントになります。
ゴローの手首はブラリと垂れ下がったまま。そして指は伸びない。
つまり、手首をそらしたり、指を伸ばしたり出来ない状態です。
そして、手の甲を中心に痺れが出ていますね。診察すると手の甲から
肘のあたりまでしびれているようです。
これで、整形外科医はどの神経に障害が起こっているのか判断します。
▼真相解明
実は、上肢には手首や指を伸ばす筋肉を動かす神経があります。
それが「橈骨(とうこつ)神経」です。難しい字ですね。
この神経は上腕の後ろを通って、前腕の前の方を走行しています。
ですから、ゴローは泥酔して自分の腕を下にして寝入ってしまったために
圧迫され続け、橈骨(とうこつ)神経が麻痺してしまったのです。
これをニックネームで「土曜の夜麻痺」などといいます。また、別名で
「睡眠麻痺」ともいわれます。 何だか情景が浮かんできませんか?
この麻痺(まひ)も数週間で回復しますので心配は要りません。
ただ、外科医としては致命的なミスですよね(苦笑)。
-------------------------------------------------------------------------
▼医者にとっての推理と検証
先週、今週と2回にわたり「推理小説バージョン」でお届けしました。
実は、これにはふかーい理由があったのです。
我々医者は毎日このような推理を行っています。
まず、患者さんの訴え(←これが証言になります)を聞きます。そして
眼で見て、触って、(←検証)さらに検査をして所見(←証拠)をとります。
そして診断(←犯人)を下すのです。
こうやって考えますと、推理と検証の毎日なのですね。
みなさんにもわかって頂きたかったのです。
少しでも、証言を聞き逃したり、検証を怠りますと証拠はとれず、犯人を取り
損ねる結果となってしまいます。
医者はいかに話を聞いて、しっかりと診ることが大切であることがわかります。
私も再認識しながらこの文を書いています。はい。
さて、推理小説バージョンはこれにて終了です。
また機会があれば書いてみますね。
あっというまに上腕の尾根を滑走しました。
次週から肘の広場をガイドします。ここにも穴場が沢山ありますよ。
お・た・の・し・みに!
----------------- <注意、免責事項について> ---------------------
■□医療相談は行っていません。治療中の方は主治医の方にご相談下さい。
■□記載内容を利用して生じた結果については、当方では責任は取れません。
上腕の神経 その2
週末の謎:上腕の神経 2005/2/21
みなさん、こんにちは!
いつも読んで頂きありがとうございます。
今週からお読みになった皆様。はじめまして!フーです。
先週の推理小説バージョン。なかなか好評でした(嬉)。どうしても内容が
専門的になってしまいますので、これからもあの手この手を使って、少しでも
わかりやすくガイドしていきたいと思っています。
宜しくお願い致します。
◆さあ、今週も推理小説バージョンでお届けします。
(先週のあらすじ)→ http://www.kitokito.cc/merumaga0033.html
モンローにフラレ、自暴自棄になりやけ酒で泥酔してしまったゴロー。
起きてみると、彼の右手はブラリと垂れ下がったまま。手の甲はしびれ、
指は伸びません。
ゴローに一体何が起こったのでしょうか?
---------------------------------------------------------------------
▼証言
H:(ホテルマン)彼はバーのカウンターで泥酔していました。腕を下にして。
その他には特に変わった事はなかったですね。ずっと一人でしたよ。
▼事実
1.ゴローは泥酔するほどお酒を飲んだ。
2.誰も接触をしていない。
3.眼を覚ましたときには、右手が動かない。
▼ゴローに一体何が起こったのか?
犯人がいるのか?
その真相は?
------------♪ Thinking Time!
スィンキング ターイム! ------------♪
▼推理
まず、ゴローの症状をよく考えてみましょう。
・どこが麻痺しているのか?
・しびれている場所はどこなのか?
これが重要なポイントになります。
ゴローの手首はブラリと垂れ下がったまま。そして指は伸びない。
つまり、手首をそらしたり、指を伸ばしたり出来ない状態です。
そして、手の甲を中心に痺れが出ていますね。診察すると手の甲から
肘のあたりまでしびれているようです。
これで、整形外科医はどの神経に障害が起こっているのか判断します。
▼真相解明
実は、上肢には手首や指を伸ばす筋肉を動かす神経があります。
それが「橈骨(とうこつ)神経」です。難しい字ですね。
この神経は上腕の後ろを通って、前腕の前の方を走行しています。
ですから、ゴローは泥酔して自分の腕を下にして寝入ってしまったために
圧迫され続け、橈骨(とうこつ)神経が麻痺してしまったのです。
これをニックネームで「土曜の夜麻痺」などといいます。また、別名で
「睡眠麻痺」ともいわれます。 何だか情景が浮かんできませんか?
この麻痺(まひ)も数週間で回復しますので心配は要りません。
ただ、外科医としては致命的なミスですよね(苦笑)。
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▼医者にとっての推理と検証
先週、今週と2回にわたり「推理小説バージョン」でお届けしました。
実は、これにはふかーい理由があったのです。
我々医者は毎日このような推理を行っています。
まず、患者さんの訴え(←これが証言になります)を聞きます。そして
眼で見て、触って、(←検証)さらに検査をして所見(←証拠)をとります。
そして診断(←犯人)を下すのです。
こうやって考えますと、推理と検証の毎日なのですね。
みなさんにもわかって頂きたかったのです。
少しでも、証言を聞き逃したり、検証を怠りますと証拠はとれず、犯人を取り
損ねる結果となってしまいます。
医者はいかに話を聞いて、しっかりと診ることが大切であることがわかります。
私も再認識しながらこの文を書いています。はい。
さて、推理小説バージョンはこれにて終了です。
また機会があれば書いてみますね。
あっというまに上腕の尾根を滑走しました。
次週から肘の広場をガイドします。ここにも穴場が沢山ありますよ。
お・た・の・し・みに!
----------------- <注意、免責事項について> ---------------------
■□医療相談は行っていません。治療中の方は主治医の方にご相談下さい。
■□記載内容を利用して生じた結果については、当方では責任は取れません。
上腕の神経
ハネムーンの謎:上腕の神経 2005/2/14
みなさん、こんにちは!
いつも読んで頂きありがとうございます。
そして、今週から初めてお読み頂いたみなさん。初めまして。フーです。
数あるメルマガの中から選んで頂きホントにありがとうございます。
さて、Vol.31で肩の脱臼後の固定肢位について外旋(がいせん)位が良いと
ガイドしました。理由はかなり専門的ですので割愛したのですが、理学療法士
や柔道整復士、そしてマッサージ師の方々から質問メールを頂きました。
みなさん、ホントに勉強熱心ですね。治療に真剣に取り組んでおられる皆様
には敬意を表します。そして私自身とても嬉しく思います。
なぜ、外旋位が良いのか? 英語論文を訳して分かり易く書きましたので
興味のある方だけご覧下さいね!
→ http://www.kitokito.cc/shoulder-dislocation.html (直通でーす!)
(かなり専門的ですが...)
◆神秘の肩の森を抜けると、そこには上腕の尾根が広がっています。
一気に滑り降りたいところですが。ここにもガイドしないといけない場所が
あるようです。
今週、来週と2回にわたり「推理小説バージョン」でガイドしますね。
今回は「ハネムーンの謎」と題してフーとともにその謎に迫りましょう!
(注)この推理小説は全て架空です(笑)
(注)Bryan Monroeは実在する私の知人です。勝手にごめん!(笑)
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▼南国にある高級リゾートホテルでの一夜
B:やっと二人きりになれたね。Monroe(モンロー)!
M:ええ。この日を待っていたのよ。Bryan(ブライアン)!
(B:ブライアン、M:モンロー)
ブライアンは世界各国から手術の依頼がくる若き天才外科医。全米有数の
資産家の長男でもある。そんな彼のハートを射止めたのは最近日本の天才
外科医である財前五郎と別れたばかりのモンロー。病院の薬剤部に勤めて
いた経歴がある異色のセクシーモデルである。
そんな二人は高級リゾートへハネムーン旅行を楽しみに来ていた...。
B:さあ、今夜はこのゴッドハンドと呼ばれる右腕を枕にしておやすみ。
愛してるよ。モンロー....
M:私もよ。愛してるわ!ブライアン....
ベッドサイドには、飲みかけのワイングラスが月明かりに照らされ、
因美で官能的な空間を創り出していた。(ホンマかいな?)
▼翌朝
B:モンロー?モンロー!
翌朝、ブライアンが起きると彼の右手の親指と示指(ひとさし指)が
しびれ、物をつかめなくなっていた。
そして、そこにいるはずのモンローの姿はなかった...
▼証言
B:少々、ワインを飲みすぎたのかな。あまり昨夜の事は覚えていないんだ。
M:あまりに朝陽が綺麗だったので、ビーチを散歩してたの。
ブライアンは熟睡してたから。起すの悪いと思って...
H(ホテル関係者): ゴロー(五郎)という日本人がバーで一人寂しそうに
やけ酒を飲んでいたよ。そのうち腕枕(自分の腕)をして寝ていたんだ。
▼事実
1.モンローは薬局に勤めていた経験がある。
2.ブライアンは資産家の長男。
3.ブライアンの右手の親指と示指はしびれ、ものがつかめない。(再起不能?)
4.モンローは最近、ゴローをふった。
5.ゴローはモンローをブライアンに奪われたと思っていた。(ああ、勘違い!)
▼ブライアンに一体何が起こったのか?
犯人は?
その真相は?
------------♪ Thinking Time!
スィンキング ターイム! ------------♪
▼推理
1.犯人はモンロー説
彼女には薬の知識がありそう。何か神経を麻痺させるような薬をワインに
入れたに違いない。もともと、ブライアンの資産を狙って結婚したのでは。
2.ゴロー説
二人の宿泊するホテルを探しあてたゴローが、ホテルの関係者を使って
ワインに薬を入れさせた。モンローを奪われた憎しみと外科医としての嫉妬
が原因か?
3.ブライアン説
これはまさに自作自演。困難な手術を控えていたブライアンは依頼を断る
理由として自作自演した。
▼真相解明
まず、ブライアンの指がしびれ、物がつかめないという運動障害があります
から、何かの神経が麻痺を起したと考えられます。でも、ある神経だけを
選択的に麻痺させる薬はないですよね(たぶん)。
ここで、まずどの神経が麻痺したのか考えて見ます。
上腕に走る大事な神経はいくつかありますが、親指と示指(中指も)
がしびれ、つかめないという症状はある神経が麻痺したときの特徴です。
それは...
「正中(せいちゅう)神経」です。
この、正中神経が圧迫されたりして障害を起こすと、親指から中指がしびれ、
さらに進行すると物がつまめなくなってきます。これを猿手(さるて)変形
といいます。
と、いうことで。
▼犯人はモンロー。でも腕枕をさせたブライアンの自業自得!
俺のゴッドハンドである右腕を枕にしておやすみ。 なーんて言ったブライアン
に責任ありですね。(普通そんな事言わない!?)
どうも、モンローの頭がブライアンの肘の辺りで正中神経を圧迫していた
ようです。
これを「ハネムーン麻痺」といいます。ただあくまでもニックネームであり
睡眠麻痺とかベンチ麻痺とも言われる事があります。
で、再起不能?!
いえいえ、心配はありません。
回復しますから。でも数週間要する事がありますので腕枕も考え物ですね(笑)
あなたは大丈夫ですか?
-------------------------------------------------------------------------
▼ゴローは?
ところで、ゴローはどうなったのでしょうか?
モンローにふられ、やけ酒で自分の腕を枕に泥酔してしまったゴロー。
起きると彼の右手はダラリとぶら下がったまま。手の甲はしびれ、指は伸びず
手首もあがりません...
これまたいかに?
来週は推理小説バージョン第2弾です。
お・た・の・し・みに!
----------------- <注意、免責事項について> ---------------------
■□医療相談は行っていません。治療中の方は主治医の方にご相談下さい。
■□記載内容を利用して生じた結果については、当方では責任は取れません。
上腕の神経 その2
週末の謎:上腕の神経 2005/2/21
みなさん、こんにちは!
いつも読んで頂きありがとうございます。
今週からお読みになった皆様。はじめまして!フーです。
先週の推理小説バージョン。なかなか好評でした(嬉)。どうしても内容が
専門的になってしまいますので、これからもあの手この手を使って、少しでも
わかりやすくガイドしていきたいと思っています。
宜しくお願い致します。
◆さあ、今週も推理小説バージョンでお届けします。
(先週のあらすじ)→ http://www.kitokito.cc/merumaga0033.html
モンローにフラレ、自暴自棄になりやけ酒で泥酔してしまったゴロー。
起きてみると、彼の右手はブラリと垂れ下がったまま。手の甲はしびれ、
指は伸びません。
ゴローに一体何が起こったのでしょうか?
---------------------------------------------------------------------
▼証言
H:(ホテルマン)彼はバーのカウンターで泥酔していました。腕を下にして。
その他には特に変わった事はなかったですね。ずっと一人でしたよ。
▼事実
1.ゴローは泥酔するほどお酒を飲んだ。
2.誰も接触をしていない。
3.眼を覚ましたときには、右手が動かない。
▼ゴローに一体何が起こったのか?
犯人がいるのか?
その真相は?
------------♪ Thinking Time!
スィンキング ターイム! ------------♪
▼推理
まず、ゴローの症状をよく考えてみましょう。
・どこが麻痺しているのか?
・しびれている場所はどこなのか?
これが重要なポイントになります。
ゴローの手首はブラリと垂れ下がったまま。そして指は伸びない。
つまり、手首をそらしたり、指を伸ばしたり出来ない状態です。
そして、手の甲を中心に痺れが出ていますね。診察すると手の甲から
肘のあたりまでしびれているようです。
これで、整形外科医はどの神経に障害が起こっているのか判断します。
▼真相解明
実は、上肢には手首や指を伸ばす筋肉を動かす神経があります。
それが「橈骨(とうこつ)神経」です。難しい字ですね。
この神経は上腕の後ろを通って、前腕の前の方を走行しています。
ですから、ゴローは泥酔して自分の腕を下にして寝入ってしまったために
圧迫され続け、橈骨(とうこつ)神経が麻痺してしまったのです。
これをニックネームで「土曜の夜麻痺」などといいます。また、別名で
「睡眠麻痺」ともいわれます。 何だか情景が浮かんできませんか?
この麻痺(まひ)も数週間で回復しますので心配は要りません。
ただ、外科医としては致命的なミスですよね(苦笑)。
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▼医者にとっての推理と検証
先週、今週と2回にわたり「推理小説バージョン」でお届けしました。
実は、これにはふかーい理由があったのです。
我々医者は毎日このような推理を行っています。
まず、患者さんの訴え(←これが証言になります)を聞きます。そして
眼で見て、触って、(←検証)さらに検査をして所見(←証拠)をとります。
そして診断(←犯人)を下すのです。
こうやって考えますと、推理と検証の毎日なのですね。
みなさんにもわかって頂きたかったのです。
少しでも、証言を聞き逃したり、検証を怠りますと証拠はとれず、犯人を取り
損ねる結果となってしまいます。
医者はいかに話を聞いて、しっかりと診ることが大切であることがわかります。
私も再認識しながらこの文を書いています。はい。
さて、推理小説バージョンはこれにて終了です。
また機会があれば書いてみますね。
あっというまに上腕の尾根を滑走しました。
次週から肘の広場をガイドします。ここにも穴場が沢山ありますよ。
お・た・の・し・みに!
----------------- <注意、免責事項について> ---------------------
■□医療相談は行っていません。治療中の方は主治医の方にご相談下さい。
■□記載内容を利用して生じた結果については、当方では責任は取れません。


